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今回は、愛煙家の皆様には少し耳の痛い話で申し訳ありませんが、地域の健康増進者の立場から、(心を鬼にして・・・)個人の嗜好の問題は別として、純粋に医学的立場より禁煙のすすめのお話をさせていただきたいと思います。
まず、あまり知られていないことですが、喫煙とお薬の関係です。 たばこは、薬の効き目にも多少なりとも影響を及ぼし、肝臓の薬物分解の力が大きくなり、薬の効き目が悪くなります。喘息や心臓、血圧、胃腸薬、安定剤等があげられております。また、たばこは血管収縮作用がありますので、糖尿病をはじめとする皮下注射薬の吸収が悪くなります。
たばこの不利益としてよく知られているのは、がんとの関連でしょう。おおよそ、がんの三割はたばこが原因といわれています。たばこを吸わない方と比較すると、何らかのがんで亡くなる可能性は1.7倍となります。特に、喉頭がんは32.5倍、肺がんは4.5倍、食道がんは2.2倍、胃がんは1.5倍といわれています。がん以外の病気に関しては、肺気腫となりやすく、心筋梗塞は1.7倍という数字が出されております。
私も外科医の1人ですが、病院において特に困ることが、手術が必要な場合、喫煙者は手術後の痰が極めて多く、そのため、術後肺炎の合併症を起こしやすいことです。最近では、癌研究会有明病院や国立がんセンターというがん専門病院では、呼吸器の手術では、禁煙がしていただけない場合、手術を断る姿勢を示しています。これは、あくまでも術後の合併症を減らし、患者様の安全を守るための立場です。手術拒否はしないまでも、手術前の一定期間、禁煙をお願いする病院が増えてきております。海南病院でも、より安全な麻酔と手術を目指し、禁煙をお願いしております。どうかその際にはご協力をお願いします。
以下、医療安全部より出されている説明文を少し紹介致します。
「喫煙は全身麻酔による術中管理、術後管理に大きな影響を及ぼします。当院では手術が決まり次第手術当日まで禁煙して頂いています。
1.心臓、血管系に対して
たばこにはニコチンが含まれていますが、ニコチンは心拍数の上昇、血圧の上昇等により心臓に負担を掛けます。また、ニコチンの血管収縮作用により、傷の治りが悪くなります。
2.呼吸器系に対して
全身麻酔を受けられた場合、手術中より痰(分泌物)が多くなり、手術後、のどに引っかかり咳がたくさん出たり、痰がうまく出せないことがあります。また、痰を出すために痛みの増強にもつながります。
喫煙者は非喫煙者に比べ術後の肺炎等呼吸器系合併症の発生が6倍にもなるとの報告もあります。
3.免疫系への影響
喫煙は、術後の創部感染や肺炎等の感染症のリスクが高くなる等、免疫機能を抑制します。
以上、喫煙が体に及ぼす影響について簡単に説明しました。
たばこは人によっては、ストレス解消に欠かせない部分もありますが、健康な体づくりには禁煙を是非お勧めします。皆様が、健やかな毎日を送られることを願っております。
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