皆様とともにつくる医療安全

近年、『医療安全』は意識の高まりとともに、学会やマスコミ・患者団体でも大きく取り上げられております。6月22日にも、NHKで医療安全をテーマにした番組が放送されていましたが、一貫として、新しい流れは医療者と患者さんがともに取り組む安全意識でした。当院でも数年前より取り組み始めております。今回は、この『医療安全』を紹介したいと思います。
 海南病院では、地域の基幹病院として質の高い・安全で安心な医療を提供するために、平成12年より「リスクマネジメント委員会」(現在は「医療安全対策委員会」と改称)を立ち上げ、組織的に医療安全への取り組みや医療事故の防止活動をしてきております。さらには、15年前より院内に「医療安全管理部」を独立して設置し、統括副院長と専従員2名を配置してさらなる強化をはかりました。また、医療の安全に関わる患者さんからの相談や苦情の窓口として、「総合相談センター」を設置しております。
 今回、社会が求める安全な医療提供の向上を目的に、さらなる取り組みを進めるとともに、病院長トップダウン形態の「医療安全管理部」としてスタートいたしました。海南病院の1つのスローガンとして「海南病院では誰もが患者さんの擁護者である」とありますが、真の擁護者たるべく、何よりも患者さんからの視点をさらに重視し、患者さんの権利の尊重・医療の安全性・療養環境の快適性・患者サービスについて今後も取り組みを進めていきたいと考えております。
 そのような観点から、平成18年4月から「海南病院医療安全組織文化づくり宣言」を作成いたしましたが、今回改訂版を出すことになりました。院内各所のリーフレットラックに置いてありますので、ぜひ一読いただければ幸いです。職員一同努力することは勿論のことでございますが、患者さんとともに医療を考えていく姿勢も安全文化には欠かせません。
 大きな指針として、@患者さんの安全確保の最優先 A安全確保のためのシステム改革 B患者さん・家族の方とともにすすめる事故予防があり、そのために「皆様のための安全ヒント」というものもリーフレットに加えました。以下はその紹介になります。
 1.入院中のあなたの治療に関わるスタッフが、あなたの患者識別ネームバンドをチェックしているかどうかを確認してください。この識別ネームバンドは、退院するときまで所定の位置に保っていてください。
 2.どのような質問でもお尋ねください。気になることはすべて話し合いましょう。もし自分で言いにくければ、家族の方に代わりに聞いてもらえるように頼んでください。
 3.あなたがしっかりと歩行できるようになるまでは、ベッドから離れるときは職員が手助けいたしますので、気軽に声をかけてください。これはあなたに転倒してほしくないからです。
 4.今、内服している主治医または薬剤師にきちんと情報提供してください。他の医師が処方した薬だけでなく、あなたが購入している薬(市販の風邪薬など)も含みます。ビタミン剤・漢方薬・サプリメントなども同様です。
 5.あなたの病歴や嗜好品(お酒やタバコなど)、そして食生活(食物アレルギー)などに関して正確な情報を医療者に伝えてください。
 6.特定の検査や処置が必要な理由、それらにどのような効果があるのか把握するようにしてください。
 7.検査の結果に関しては医師に尋ねましょう。「便りがないのはよい便り」と思うのはやめましょう。
 8.ケアを行う前に、きちんと手を洗ったか、手指消毒したかどうか、医療チームのメンバーに気軽に尋ねてください。あなた自身もきちんと手を洗うことは、今日でも最も簡単な院内感染の防止方法です。
 9.海南病院において医療ケア(行為)などを受け、患者さん・家族の方が「ヒヤリ」「ハット」したことがありましたら、ぜひ「医療安全提案メモ」でご意見をお寄せください。
 以上が「皆さんのための安全ヒント」です。『医療安全』は、大切な患者さんのために病院が最大限の努力を行うことは勿論ですが、皆様をとともに取り組みがなされれば、さらによい安全文化となることと思います。地域に安心を提供できるよう、これからも頑張ってまいります。